5月 2017

任意後見制度の流れと必要書類、費用について

任意後見制度は法定後見制度とは違い、まだ判断力が残っている方が後見人候補者をあらかじめ決めておき、有事の際にはその人に任せる制度ですので、その時のための契約を公正証書にして残しておく必要があります。公正証書によって法的な力をあらかじめ宿らせておき、そのときが来たらあとは法定後見人制度と同じく裁判所に申し立てを行い、後見人制度の利用を開始するのがメインの流れとなります。

任意後見制度のために必要となる書類は、本人の戸籍謄本、住民票、印鑑登録証明書、運転免許証やパスポートなどの身分を証明できるものとなります。また、契約を結ぶことを公正証書として残すためには、後見人候補者にも書類を揃えてもらう必要があります。候補者が用意する書類は、住民票と印鑑登録証明書、身分を証明できるものです。この他にも診断書や財産目録、不動産登記簿謄本なども必要になるケースもありますので、必要書類については弁護士や司法書士さんに相談してみると良いでしょう。費用については、契約書を作成するための手続き料が1万1千円、登記の手数料が1400円、印紙代が2600円となっています。任意後見人制度も法定後見人制度も、手続きや必要書類などが多く分かりづらいので、お困りの際にはぜひ弁護士に相談してみてください。


法定後見制度の流れと必要書類、費用について

成年後見制度を利用する際の手続きの流れは、法定後見か任意後見かによって若干異なります。まずは法定後見について見ていきましょう。法定後見制度利用の申し立ては、住んでいる地域の家庭裁判所に行う必要があります。申し立てをする人は本人か配偶者、四親等内の親族と規定されています。申し立てに必要となる書類は、申立書及び診断書、本人の戸籍謄本、成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、登記事項証明書となります。申し立て諸及び診断書については家庭裁判所にて用紙をもらうことができ、その他に必要となる書類については、市区町村の役場にて発行してもらうことが可能です。申し立てが終わると裁判所による調査や審判が行われ、正常に制度が利用できるかどうかを判断されることになります。審判が終わると制度の利用が開始されます。

費用については、切手代や収入印紙代、登記手数料、鑑定料などが必要となります。鑑定料は医療機関に本人の判断能力の程度を検査してもらうために必要となる費用で、だいたい5万円から10万円程度必要になりますが、切手代や収入印紙代などは高くても数千円程度です。制度利用までの手続きは多く、一人で行おうとすると大変な手間をかけることになりますので、弁護士に相談することをおすすめします。


法定後見と任意後見

成年後見制度は、法定後見制度と任意後見制度の2つに分かれています。両者の違いは、判断力を有している内に自分で後見人を探すかどうかという点にあります。法定後見制度の場合は、既に判断力が欠けてしまっており、本人一人だけで契約を締結することができないような場合に利用されるのに対し、任意後見制度ではあらかじめ後見人を決めておき、認知症などの病気によって判断不能な状態になったら契約しておいた後見人に後を任せることになります。認知症やアルツハイマーなどは、初期段階であれば本人が正常に判断することが可能ですので、任意後見制度を利用するケースが多いという特徴があります。

法定後見人を選定するためには家庭裁判所に申し込みを行い、後見人の選任が必要となります。本人が誰に後見人をつとめて欲しいか希望を出すことは可能で、多くの場合、自分の子どもや兄弟、親戚といった親族内から選任されることになります。後見人の選定については任意後見制度も同様に家族や親類つとめることが多いという特徴があります。必要な手続きなどについては家族のみで決めるのではなく、法律の専門家でもある弁護士や司法書士などに相談した方がより確実でしょう。


複雑な成年後見制度、弁護士に相談を

成年後見制度と聞くと、法律にも関わる行政サービスのような感じもしますが、これは行政サービスというよりは、むしろ任意保険のような立ち位置に近く、もしもの時のために備えておくための制度です。それでは具体的に成年後見制度とはどのような制度なのか、見ていきましょう。

成年後見制度は、本人の判断力が病気等の理由によって欠けている社会的弱者の方を対象にした制度で、契約によって後見人をあらかじめ選んでおくと、後見人が本人に代わって財産の管理や賃貸借契約、相続の管理などを行う権利が与えられるというものです。よく示される例としては、たとえば認知症になってしまった高齢者が悪質な契約によって高額な商品を無理やり買わされることを予防するというものです。あらかじめ成年後見人制度利用していれば、本人が行った契約を見直したり破棄したりできるだけでなく、後見人が必要となる契約を結ぶことが可能となります。このように、判断能力の乏しい人を守るために制定された制度が成年後見制度となります。

しかし成年後見制度には欠点があるのも事実です。その内の1つが、制度を利用するまでの手間が非常に多いことです。法律の知識も必要になり、司法や行政との連携も必要になることから、手続きが煩雑になりがちですので、制度を利用する際には弁護士に相談することをおすすめします。当サイトでは成年後見制度を利用するまでの流れ、必要となる書類と費用についてご紹介していきます。